あだ名がいじめに繋がるケースがあるということで、あだ名や呼び捨てを禁止する学校が増えているようです。その代わり(?)さん付けにするように指導しているのだとか。
悪意のあるあだ名から、いじめに繋がるというのは確かにあるでしょう。
ただ、当然あだ名にも良い部分はあります。
こうした背景もあり、あだ名を禁止するということに対して、賛否両論あります。
ここでは、あだ名を禁止することによって、どんなメリット・デメリットがあるのか、そしてあだ名を禁止する人にはどんな反対意見があるのかについてお話します。
あだ名を禁止する最大のメリットは、悪意のあるあだ名、付けられた本人が傷つくようなあだ名がつけられなくなることです。
『博士』『イケメン』というように、一般的にポジティブなあだ名なら良いです。
ですが、あだ名というのは人を傷つけるようなものもあります。女の子に対して『ゴリ美』とか、シンプルなものだと『○○ブタ』とか。
あだ名というのは身体的な特徴や失敗行動から決められることが多いため、そこからいじめが始まる可能性があるそうです。
確かに、気にならなかった人でも、侮蔑的なあだ名がついていたら、その人に対してそのあだ名のイメージがついてしまいます。
たとえいじめに発展しなかったとしても、侮蔑的なあだ名を付けられた方はすごく傷ついてしまうものです。
あだ名を禁止するメリットだけを見るとすごく魅力的に感じますね。
あだ名のメリットは何か?というと、親近感を感じられること。
前提として敬意や親しみを持って付けられ、なおかつ付けられた本人が不快にならないものに限りますが。そんなあだ名であるなら、呼ぶ方も呼ばれる方も親近感も湧きます。
あだ名を禁止することで、子ども同士が深い関係を築けるのかが気になるところです。
ましてや、さん付けをするなんて、心理的距離が遠くなってしまうように感じてしまうのは、個人的な感覚なのでしょうか。
小さい頃から全ての人に、さん付けをしていたのならさん付けをしている相手に対して、親近感が湧くのかもしれませんが。
やっぱり、親しくなるまでにかかる時間は長くなりそうな感じがします。
これに関しては、あくまで個人的な感覚でしかありませんが。
あだ名禁止に関するアンケートを見てみると、本当にどっちが良いのか決められないくらい分かれています。
どちらとも言えないと答えた人が半数以上いるのに加えて、反対と答えた人、賛成と答えた人も大差ないよう結果に。
どちらかというと反対が若干多いくらいです。
ではまず、あだ名禁止に対して反対した理由を見てみましょう。
反対理由にも納得できるものが多いのではないでしょうか。
次に、あだ名禁止に対して賛成している人の理由を見てみましょう。
賛成理由を見ても納得できるものばかりですね。
あだ名禁止について、賛否両論あるのはあだ名は使い方によって印象が大きく変わるからでしょう。
敬意や親しみを持って付けられたあだ名なら、本人も悪い気はしないでしょう。逆に、悪意や侮蔑を持って付けられたあだ名なら、傷ついてしまうと思います。
あだ名自体に善悪はありません。あだ名をどう使うかによって変わるからです。
そうやって考えると、あだ名というのはトウガラシみたいなものかもしれませんね。
適量を料理に入れるとスパイスになっておいしくなりますが、目に入れたり、強烈な辛さにすると痛みしか感じません。
ただ、子どもにそれを教えるのは難しいと思います。あだ名を付ける本人に悪気がなかったとしても、付けられた方が傷ついてしまうこともありますから。
そもそも、大人になってもあだ名を悪いように使う人もいるくらいですから、子どもだと余計に難しいと思います。
悪いことに繋がる可能性のあるものを根こそぎ取り除いてしまっては、子どもの成長にも良くないと思いますが、あだ名によって一生の傷を負う恐れがあることを考えると、一概に禁止はやりすぎとは言い切れません。
個人的な意見を言わせてもらうなら、子どもの頃から、自分の心との向き合い方を教えた方が良いのではないかと思います。
自分自身と向き合って、傷つきにくい心を作るのと同時に、人を傷つけてしまう弱い心を鍛えて強くする。
そうすることで、子どもの精神的な成長に繋がり、結果として人をいじめることに逃げない人が増え、少しからかわれたとしても笑って受け流せる心が育つのではないでしょうか。
ただ禁止するのではなく、なぜ禁止するのか、その本質を子どもたちが理解していくのは大切なことです。
じゃないと、別の形で代わりのものが出てくるだけだと思いますから。
人を思いやることができると同時に、自分自身の心もケアできる。そんな人が増えて、平和な世の中になってくれたら良いですね。
・禁止はやり過ぎな気がするから
・あだ名を付けてもらったことが嬉しかったから
・あだ名がある方が親近感があるように思うから など