空手がオリンピックの種目として決まりましたが、形の楽しみ方がわからないという人は多いのではないでしょうか?
実際、知恵袋を見ても空手ダンス、盛り上がらない、ただ暴れているだけ、ダンスの品評会などと言われているのを見ると、元空手家としては悲しい気持ちになります。
ですが、正直なところ私も道場に通い始めてから4年間くらいは、形の魅力がわかりませんでした。
やっていてもそんなに楽しくないし、人がやっているのを見ても何がすごいのかわからない。でも、自分が本気で取り組むようになって初めて形の魅力に気づきました。
ここでは、空手の形を楽しく見る方法についてお話しますので、オリンピック前に目を通しておいてください。
楽しみ方を伝える前に、最初にやってほしいのが空手の形を格闘技というフィルターを通して見るのをやめて欲しいという点です。
もちろん、武として見ることで、キレイな受けや突き、蹴り、そして気合いの面でも魅力を感じられると思いますが、未経験者にとってはどうしても不自然に感じてしまうのでしょう。
「この動き何やってんの?」「形が上手い=強い訳じゃないよね」など。
正直に言いますと、空手を習っても同じような疑問にぶつかります。私自身、形を頑張っても強くなれるわけじゃないと思って、なんとなくやっていましたし…。
動きの意味に関しては、形を習う時に教えてもらうのですが、他流派の形に関しては、ハッキリ言って意味が分かりません。
でもこれって格闘技として見ているからそう感じてしまうのだと思います。
あなたはフィギュアスケートの氷上で4回転(クアドジャンプ)する姿を見て、「何やってんの?」「コレができて強くなれるの?」なんて思いませんよね?
シンクロナイズドスイミングのベントニーとかクレーンを見て「コレで泳ぎが速くなるの?」なんて思いませんよね?(シンクロの用語集)
確かに形は、空手の稽古の一環として習いますが、相手を倒すためとか強くなるためという感覚ではなく、フィギュアスケートやダンス、バレエを見ているような感覚で見るのを前提としてください。
洗練された形というのは美しく見えるものです。それは見ていてもなんとなくわかると思います。
フィギュアスケートやバレエなんかも素人目からはよくわからないかもしれませんが、世界でも上位に入る人の動きは美しく見えますよね。
空手の形もそれと同じで、世界で活躍している人たちは、相当鍛錬を積まないとあの動きをするのは無理です。
そんな形で特に注目して欲しいのは、受けや突き、蹴りの速さ、緩急の付け方、そして力強さ。道着がすれる音やバサッ、バッという音もやっぱりカッコいいですね。
この部分に注目すれば、あまり知らない人でも魅力を感じられるのではないかと思います。
オリンピックに出場するくらいの実力者たちですから、ただ眺めているだけでも十分楽しめるかと思いますが、やはりどこに注目したら楽しめるのかを知っていたら、より魅力を感じられます。
初めてオリンピック競技として選ばれ、しかも日本で行われるわけですから、ぜひ空手の形にも注目してみてください。