最終回というと全ての締めくくりであり、読者にとってはこの先の物語を見ることができない大事な回です。
内容によっては、これまでのストーリーや読者が思い込んでいたものが、最後のたった1話で覆されることもあります。
私は色々な漫画を読んだり、色々な漫画の最終回の話を聞いてきました。
ここでは、個人的にすごいどんでん返しをしていて驚いたものを紹介します。
※分かったら面白くない…という、いわゆるネタバレに関しては極力配慮しています。
聞いたことがないという人もいると思うので説明しておきます。
ハイスクール奇面組は1982年から1987年まで、週刊少年ジャンプにて連載されていたマンガです。
全20巻なのに、累計発行部数は1000万部を記録した人気漫画です。テレビアニメ化もされています。
内容は、奇面組という個性的あふれる5人組と2人の女子が巻き起こす、ドタバタギャグコメディです。
「実は全てヒロイン(河川唯)の妄想だった!」という結末でした。ギャグ漫画だからと言えばそれまでですが、やっぱり今までのストーリーが全てなかったことになるような最終回はキツイですね。ただ、最後のコマには主人公の影のようなものが描かれています。
もしかしたら、これからこのストーリーが展開されるのかも…という妄想ができるという意味では、良い終わり方と言えなくもありません。
あしたのジョーはボクシング漫画の金字塔で、漫画はもちろん、アニメも高い人気があります。
連載は1968年から1973年と、古い漫画ながら今なお語り継がれています。もしかしたら、知らない人の方が少ないのではないでしょうか。
色々なところでネタにされているので、すでに知っている人も多いでしょう。世界王者のホセ・メンドーサと主人公のジョーが全力を尽くして戦い、その結果力のすべを使い切ったジョーは真っ白に燃え尽きてしまいます。
私はすでに結末を知っていたからあまり驚かなかったのですが、リアルタイムで読んでいた人からすると衝撃的な最終回だったのではないでしょうか。
デビルマンは1972年から1973年と短い期間しか連載されておらず、巻数も全部で5巻という短いです。
ですが、テレビアニメと連載が同時期に始まり、内容の面白さや衝撃的な最終回を迎えたことにより話題となり、今でも多くの人に愛されている作品です。
全5巻ではあるものの、全世界累計発行部数は5000万部を超えています。
簡単にあらすじを紹介すると、悪魔の力を持つ主人公が悪魔を倒していくという話です。
悪魔との戦いに挑んだ主人公は、最後まで懸命に戦い続けたものの…。という感じで終わりを迎えてしまいます。
ただ、漫画のラストシーンは分かりにくく、バッドエンドを迎えた印象を持っている人が多いのですが、実際は違うみたいです。
あまり細かく書いてしまうとネタバレになってしまいますが、どんでん返しという意味では、色々な点に衝撃を受ける内容です。
ちなみに、漫画版とアニメ版は内容が違います。
東京大学物語は1992年から2001年にかけて連載された漫画です。ドラマ化、アニメ化、映画化もされているので、内容を知らなくても名前は聞いたことがあるかもしれません。
頭が良い主人公と天真爛漫なヒロイン、そしてその他にもライバルたちとのやり取りを描いたラブコメディです。
東京大学物語の最終回はハイスクール奇面組と似ています。要するに、「妄想でした」というオチ。
濃厚な大人の恋愛を描いておきながら、オチでは小学生の妄想ってなっているんです。人によっては受け付けないと思うかもしれません。
個人的には、最後のコマだけなかったことにして、今までのストーリーを楽しむ方が良いです。
代紋TAKE2は、1990年から2004年まで連載していた漫画です。
SFとアウトローを組み合わせた漫画ということもあり、長期連載が行われるくらいの人気がありました。
それだけ高い人気があったにも関わらず、全てをぶち壊すような最終回に、開いた口が塞がらないという人も少なくありませんでした。
全62巻という長期連載ながら、最終回では「実はゲームの世界のお話でした」という感じで終わりを迎えます。連載年数が14年なのにそんな終わり方…。
ストーリーの中では所々それっぽい伏線は張られていたようですが、リアルタイムで読んでいた人にとってはすごい衝撃だったと思います。
ノノノノは2007年から2010年まで連載されていた漫画で、全13巻あります。
簡単にストーリーを説明すると、女性の主人公が男性だと偽り、男の選手としてスキージャンプで金メダルを獲得するために奮闘するというもの。
連載当時はスキージャンプの女子種目がありませんでした。(現在はあります。)
全13巻もある中で主人公が頑張ってきたものが、一気にムダになるような終わり方をしています。
ネタバレ要素があるので少しぼかして書きますが、簡単に言うと隠していたことがバレます。そしてそのまま終わります。
リアルと言えばリアルかもしれませんが、漫画でこんな終わり方をしてしまっては、読者としてもやりきれない気持ちになります。
ただ、これは雑誌版での最終回で、単行本ではちゃんと最後まで描かれています。
と言っても、雑誌版の最終回に対して少し雑…というか強引な修正をしたような印象を受けました。
かってに改蔵は1998年から2004年まで連載され、全26巻ある漫画です。
累計発行部数は700万部もあり、新装版(全14巻)が刊行されたり、アニメ化されたりするなど人気のある作品です。
天才であった主人公は、ケガがきっかけで自分のことを改造人間だと思い込むようになる、というストーリー。
一話完結で展開されているギャグ漫画ではあるものの、最終回は大どんでん返しというのにふさわしい内容になっています。
今まで起こっていたことは、実は主人公とヒロインは精神科に入院しており、精神状態を改善するために行われていた箱庭療法だったというオチ。
終わり方としては、夢オチのような感じではありますが、ただ「今までのことは全て夢でした」という内容よりは深みがあるように思います。
賛否両論あるものの。「感動した」「面白い」というコメントが多く残されています。
最終回のどんでん返しの漫画を並べてみると、夢オチ・妄想オチが多いですね。最後の1話で大どんでん返しをする作品に絞ったからかもしれません。
作品の中でどんでん返しをしている作品ならたくさんあるんですけどね。
それにしても、夢オチ・妄想オチって個人的にはあまり好きではないですね。今までのストーリーは何だったの?って思うし…。
もちろん、漫画の世界で起こっていることだとちゃんと認識はしているんですけど、なんて言うのか、私はその中の世界はそこに存在していて欲しいというか…。
物語の中でさえ物語を否定してしまったら、読み返した時はどんな気持ちで見たらいいの?ってなります。
どうせなら、黒幕が実は主人公の肉親で、主人公を救うために行動していた…とか、そんな感じのどんでん返しで十分です。
作品をどうするかは作者の自由ではあるのですが、「この人(キャラ)達はやっぱりどこにも存在しないんだよな」という現実を見せられるみたいで寂しくなります。
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