友達がいない人って結構多いんだな…とSNSなどを通じて知ったときは、謎の安心感に包まれました。
私だけじゃないのか!って。
私は24歳くらいで人間関係を限界まで小さくしましたが、それはとても珍しい選択だと思っていました。
周りと同じでいたいとは思いませんが、私と似ている考えの人が多いということは純粋に嬉しかったです。
私の場合、友達付き合いを頑張っていた頃でも友達と呼べる存在は少なかったのですが、それでも友人関係を整理することで心が楽になりました。
ここでは、友達がいない人が増えている理由について考えていきたいと思います。
友達がいないことで悩んでいる人や、友人関係を見直したいと考えている人は、ぜひ読んでみてください。
友達がいない人が増えてきたな…と感じるようになったのは、SNSを通じてたくさんの人の声を知ったからです。
あとは、本屋さんでも友達がいなくても生きていけそうなテーマで書かれている本が目立つようになりました。
たとえば、私が思わず手に取った本「孤独をたのしむ力」は中身を見る前に購入を決めたくらいタイトルが刺さりました。
本の帯に書かれている”本当に大切なものは、ひとりで見つける”という一文にも、深く共感しました。
ひと昔前なら、「友達がいない人=友達が欲しくてもできない人」というイメージが強かったです。
しかし今は、「自分の意思で友人関係を整理する人」が増えてきているようです。
その理由について、私が経験したことを元に考えていきたいと思います。
私が子供の頃は、人間関係における選択肢があったとしても、王道以外は選んではいけないという妙なプレッシャーがあったように思います。
王道以外を選んだら、認めてもらえない、馬鹿にされるという感覚は、私だけが感じたものではなかったでしょう。
何事にも王道という道はありますが、今の時代はそれ以外の道を選んでも理解されやすい時代になったなぁと思います。
”男性”や”女性”というカテゴリに縛られない人がいたり、好きなことを仕事にする人がいたり、「友達はいません、ぼっちです」と堂々と宣言する人がいたり。
こうした王道以外の道を公言する著名人も増えているので、救われた人はきっと大勢いるでしょう。私もその一人です。
味方はいるんだから頑張ろうと勇気をもらえますよね。
「友達はいないとおかしい」という時代から、「友達はいてもいなくてもいい」という時代になってきたのは嬉しい限りです。
楽しみがいくらでもあるのは、今の時代に生きることができて良かったなぁと思うことのひとつです。
ネットさえあれば買い物はもちろん、人との交流、手続き、調べもの、学ぶこともすべて家にいて出来てしまいます。
なかでも、学びの場は飛躍的に増えました。ネット上には、知りたいことを無料で分かりやすく教えてくれる先生がたくさんいます。
十数年前の世の中は、友達と直接会って交流することが人生の楽しみの多くを占めていたと思います。人間関係を築いていくことが苦手な私でも、友達とカフェやショッピングへ行くことが一番の楽しみでしたから。
しかし今は、楽しみ方がたくさんあります。友達がいない人は、友達がいなくてもできる遊びや趣味がいくらでも見つかります。
一人は寂しい、みじめだと感じる時間がないから、友達がいない人が増えてきたのかもしれません。
誕生日に、たくさんの仲間に囲まれて祝福されている人の写真を見たら、あなたはどう思いますか?
かつての私は、羨ましいという気持ちが圧倒的に強かったのですが、今は違います。
たくさんの仲間に囲まれているということは、一人ひとりに対して関係性を維持する努力をしてきたのでしょう。
時にはトラブルに発展することもあっただろうな、それを乗り越えるためにたくさんのエネルギーを使ってきたんだろうな、それらを経ての今(たくさんの仲間に誕生日を祝ってもらえる)なんだろうなと思うのです。
その人の人柄があってこそでしょうが、それでも努力なしでは築けなかったはずです。
しかも、人間関係は努力だけではどうにもならないという側面もあります。
努力はその方向性を間違えてしまえば、無駄になってしまうことがあります。また、人間には得手不得手があるので、人との距離感をはかるのが苦手な人と得意な人がいます。
友人関係を維持するための努力に必死という人や、友人関係を築くことが苦手という人は、疲労度が半端ないでしょう。
私は疲労度が半端ないほうの人です。だから、友人関係を限界まで小さくする道を選びました。
心の疲れは、ピークを越えるとあらゆる感覚が麻痺してきます。何も考えなくなり、何をしたいのか思い出せなくなります。
私はそこから抜け出したくて、苦手なことをひとつ手放しました。
友達がいない人が多い理由について考えてみました。
私は友達はほとんどいませんが、「友達なんていらない!」とは全く思いません。
「友達はいてもいいし、いなくてもいい」と思っているだけです。
好きな道を選択し、その幸せを噛みしめる人が、一人でも増えたらいいなと思っています。