お菓子はおいしく手軽に食べられるように作られていますので、妊娠していなくてもやめられないくらいなのですが、妊娠中はさらに手が止まらなくなります。
それには理由があるのですが、だからと言って次から次へと食べ続けてしまうと、あなた自身はもちろん胎児への影響してしまいますから注意が必要です。
ここでは、どうしてやめられなくなるのか?胎児や母体にはどんな影響があるのか?お菓子を我慢するべきなのかについて解説します。
妊娠中にお菓子がやめられなくなるのは理由
ブドウ糖を摂る必要があるから
妊娠中は赤ちゃんを育てるためにたくさんの栄養を摂取しなければなりません。その中でもブドウ糖は消化が早く分解・吸収されますから、効率的にエネルギーを補給できます。
ブドウ糖は甘いものに含まれていますから、ついつい甘みの強いお菓子を食べてしまうのです。
それに、妊娠中は自分自身の分だけでなく、赤ちゃんの分の栄養も必要になります。
自分の分だけでもお菓子を欲するのに、赤ちゃんの分まで必要となると、四六時中お菓子を食べたくなるのは仕方がないのかもしれませんね。
ホルモンバランスが変化するから
妊娠するとホルモンバランスが変化します。エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンは、味覚が変わることがあると言われています。
味覚が変わるというよりも味を感じる感覚が鈍くなり、濃い味を欲するようになります。
妊娠する前に苦手だったものを食べたくなったり、これまであまり意識的に食べていなかった食べ物でも、急に好きになったりするのはそのためです。
私の母は、私を身ごもっている時にやたらとトマトが食べたくなったそうです。そのせいか私は小さい頃からずっとトマトが大好きで、よく食べています(笑)
話を戻しますが、お菓子は味の濃いものが多いですし、甘いものは味が濃いものばかりですから、ついつい手を伸ばしてしまうのです。
妊娠すると体には色々な変化が起こります。食欲が増したり、嗜好品が変わったり…。
ただ、だからといって思うままお菓子を食べ続けてしまうと、あなた自身はもちろん、胎児にも悪影響を与えてしまう可能性があります。
胎児への影響
低血糖症
低血糖症というのは、血液中の糖分が少なくなっている状態のことを言います。
「お菓子を食べすぎてしまっているのに低血糖症?」と思うかもしれませんが、お菓子の食べ過ぎと大きな関係があります。
お腹の中にいる時にへその緒から糖分が届き、その糖分は赤ちゃん自身が分解するホルモンを出すことで、正常な状態を維持し続けます。
ここまでは特に問題はありません。
ですが、赤ちゃんが生まれた後にへその緒から糖分が来なくなったとしても、分解するホルモン、インスリンが分泌され続けてしまいます。
たとえ血糖値が正常だとしても、今まで通りにインスリンが分泌されて糖分を分解してしまいますから、低血糖症のリスクが上がってしまうのです。
神経の異常
胎児に必要な栄養分が不足してしまうと、細胞を作り出す機能が働かずに神経に異常のある病気を発症してしまう可能性があります。
妊娠中に重要な栄養素と言われているのは葉酸なのですが、葉酸が不足すると神経管閉鎖障害・二分脊椎症・無脳症などの先天性の疾患を招くと言われています。
もちろん、葉酸だけでなく鉄分やビタミン、たんぱく質などの栄養素もバランス良く摂取する必要はありますが。
お菓子では必要な栄養素が摂取できませんので、いくら食べ続けても栄養を補うことができないのです。
つわりでお菓子以外はなかなか口にできないという人は、サプリメントを利用するのも良いでしょう。
ただし、サプリメントはあくまで補助でしかありませんので、
妊婦(母体)への影響
体重増加&肥満
体重増加&肥満に関しては、言わなくても分かると思いますが、問題は美容の面だけではありません。
脂肪がつくことで産道が狭くなってしまったり、子宮口が開きにくくなってしまうリスクがあります。そうなると、難産の可能性も上がり、母子ともに負担が大きくなります。
また、産後の快適さにも大きな違いがあるそうです。
2人を出産した経験者の話によると、15kgも増加して出産した1人目の時と、6kgの増加に抑えて出産した2人目の時では、2人目の方が圧倒的に産後が楽だったそうです。
母体の適正体重増加は以下の通りです。
・BMI18.5~25未満(標準体重):7~10kg
・BMI25以上(太り気味):5~7kg
1週間単位の増加は300~500gが理想ですから、急激な体重の増減にも注意しましょう。こまめに体重を量りながら調整してください。
妊娠中は運動不足になりますので、食生活を意識して体重の管理を行う必要があります。
妊娠線ができる
妊娠線ができるのは女性にとってやっぱりイヤですよね。
一気にお腹が大きくなってしまうと、妊娠線がたくさんできてしまう原因になってしまいます。あまりにひどい場合は、妊娠線予防クリームも効果が弱くなることもあるそうです。
妊娠糖尿病
妊娠中は血液から赤ちゃんに糖分を届ける必要があるため、血糖値を抑えるインスリンの作用が弱くなります。
つまり、血糖値が上がりやすくなっている状態ですから、そんな状態でお菓子から糖分をたくさん摂取してしまうと、妊娠糖尿病になってしまうリスクがあるのです。
妊娠初期に妊娠糖尿病になると、死産や流産のリスクもあります。
妊娠初期でないにしても、巨大児や奇形児、新生児低血糖症などのリスクもありますから、お菓子の食べ過ぎには注意しなければなりません。
自覚症状がほとんどないのも厄介です。
妊娠高血圧症候群
お菓子に含まれている塩分を多く摂取してしまうと、妊娠高血圧症候群を引き起こすことがあります。
妊娠高血圧症候群はいわゆる妊娠中毒症で、体にあらゆる症状を引き起こしてしまいます。
・みぞおちの痛み
・倦怠感
・眠気
・むくみ
・吐き気
・動悸
・咳
・呼吸困難
など
軽い症状の場合は妊娠によるものだと思って、放置してしまう人もいますが、早いうちに対処しないと母子ともに命の危険もありますので、すぐに診察を受けましょう。
妊娠中に注意しなければならないお菓子
妊娠中は以下のお菓子は控えたほうがいいです。
・塩分の多いお菓子
注意するべきお菓子を見ると、ほとんどのお菓子が当てはまっていることがわかりますね(汗)。
甘いものは妊娠糖尿病、塩分の多いものは妊娠高血圧症候群。お菓子というだけでこれらを引き起こしてしまうリスクがあるのですから、なるべく控えるのが理想です。
だからと言って、すごい食欲になっている妊娠中にお菓子を我慢するのはかなりきついですよね。
妊娠中はお菓子を我慢するべき?
お菓子の食べすぎは確かに良くありませんが、我慢しすぎるのも母子ともに良くありません。
胎児はママのストレスに対して敏感だと言われていますので、赤ちゃんのためだと思って我慢することが、かえって赤ちゃんに悪影響を与えてしまっているかもしれません。
ですから、我慢し過ぎない程度でお菓子を食べるのが理想です。
こまめに体重を量ったり、妊婦検査の数値を参考にしながらどのくらいお菓子を食べるのかを調整してください。
一人で我慢するのは難しいので、夫や友達と協力してもらうと良いでしょう。
妊娠中の人向けではありませんが、こちらの記事も参考にしてください↓
https://iroiro1616.com/oyatu/okasi-gamann-sutoresu/
お菓子を食べること自体は決して悪いことではありません。赤ちゃんの分まで栄養を摂取しなければならないのですから。
ですが、食べる量が多くなるほど、赤ちゃんや母体に悪影響を及ぼしてしまうリスクが上がることも覚えておかなければなりません。
我慢しすぎず、食べ過ぎではないというように、ほど良いバランスを目指して健康なお子さんを産んでください。
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