ケンタッキーフライドチキンのアルバイトはきつい・しんどいという噂を聞いたことがあります。
私はケンタッキーで4年間働いた経験があります。2年で他の店舗に異動になり、各店舗2年ずつ働いてきました。
ここでは、他の人の口コミや私の体験談などから、ケンタッキーのバイトはどんなことがきつい・しんどいのかについてお話します。また、きついことだけではなく、楽しいところについてもお話します。
私は厨房(キッチン)で働いていたので、主に厨房の話になってしまいますが、知っている範囲でレジやパッキング(商品を詰める仕事)についてお話します。
ケンタッキーのメニューを見てみると分かると思いますが、ほとんどが揚げ物です。なので、油汚れの掃除が大変です。
私が働いているところでも、クッカー(チキンを揚げる機械)の下の部分にある排水溝が、油で白くなっていました。温度が下がると白く固まるタイプの油です。
毎日そこを掃除するわけではないのですが、掃除をする時はお湯で油を溶かす必要があるので結構面倒でした。
あと、油汚れがひどいところはニオイもあるのが嫌でした。油が劣化した臭いなのか、まぁクサイと感じるようなニオイです。
きついと言うほどではありませんが、個人的には若干ウ〇コみたいなニオイに感じました。若干ですけど。
においに敏感な人はきついと感じるかもしれません。
毎日の掃除自体は閉店3時間前くらいから2~3人で少しずつ進めていきますので、そんなに大変ではありません。
ケンタッキーのフロア以外の床は基本的に油で滑りやすくなっています。と言っても、毎日掃除をしていますし、コックシューズという滑りにくい靴を履いていますので転んだことはありません。
実際、滑って転んだ人は4年間働いて、一度も見たことはありません。
少しヌルっとしているので、最初は歩く時に慎重になっていました。慣れてしまえば意識しなくても普通に歩いていましたが。
男性(厨房・キッチン)が働く場合、力仕事があります。生のチキンが10kg入った箱を持ち運んだり、チキンが揚がった時に36ピース分を持ち上げないといけません。
36ピース分は、具体的な重さが分かりませんが、大体5~6kgくらいだと思います。
それを1日に何回も持ち運びしないといけないため、普段運動をしていない人にとってはしんどいと感じてしまうかもしれません。
私は当時運動をしていましたので、そんなにきついとは思いませんでしたが、慣れるまでは結構疲れました。
厨房は大きなホース(正式名称は分かりません)から風が出て常時換気されているのですが、それでも結構蒸し暑いです。
ケンタッキーのオリジナルチキンは最高185℃で15分かけて揚げているので、厨房は常に蒸し暑い状態です。
ただ、しっかり換気&クーラーが効いているので夏でも汗だくことはありませんでした。
冬の厨房では少し暑いかなと感じるくらいで、仕事が終わって外に出たらしばらく涼しいです。
私は暑いのが得意な方なのでそんなに辛くはありませんでしたが、汗っかきの人にとっては大変かもしれません。と言っても、チキンを揚げている時にクッカーに近づかなければ快適に過ごせます。
厨房はもちろん、フライヤー(クリスピーなどを作る機械)を担当する場合、ヤケドをする可能性があります。可能性というか、私が働いていたところではみんなヤケドを経験しています。
揚げたてのチキンに触ってしまったり、熱い状態のバスケット(チキンを揚げるカゴ状のアイテム)を触ってしまったり…。頻繁にヤケドをするせいでヤケドに強くなります。
また、クッカー(チキンを揚げる圧力鍋)は、使うごとに掃除をする必要があります。
スパチュラ(ヘラ)で周りについている汚れを落とし、ダスター(ふきん)でキレイにするのですが、この時、ヒジとか指がクッカーに触れると熱いです。
それ以外にも、使っていることに気が付かないで、熱いままのクッカーに触ってしまうことも…。慣れるまではきついです。
私が働いていたところでは、ヤケドに慣れたおかげで熱い状態のクッカーに触れても全く動じない人もいました。
これはレジの人の話ですが、細かく注文されることがあるという話を聞いたことがあります。
ケンタッキーのオリジナルチキンは5種類あります。ケンタッキーによく通っているお客さんの中には種類を指定してくる人もいて、その対応が面倒だったそうです。
というのも、基本的にそれに応えるのはダメだからです。
チキンの種類が偏ってしまうと、次のお客さんに提供するものも偏ってしまうことになりますから、状況によっては断らないといけません。
ある程度は融通を利かせることもできるのですが、基本的には断るように言われています。
そのせいで、お客さんに嫌な顔をされたり、時には文句を言われたり…。お客さんと上の人との板挟みにあうのはしんどそうでした。
接客の仕事ですから、嫌なお客さんの対応もしないといけません。
私が聞いた話だと、チキンを人差し指で触りながら「これ交換してくれない?」と言ってきた人がいたそうです。交換に応じたあと、そのチキンは捨てたそうです。もったいないですね。
客に怒られて泣いている人もいました。
どの仕事でも言えるかもしれませんが、覚えることが多いと感じました。チキンを作るという工程も、味付けをして揚げれば良いという訳ではありません。
オリジナルチキン関連だけでもこれだけ覚えないといけないことがあります。
それに加えて、掃除の仕方やチキンの個数をデータとして送る機械の使い方なども覚える必要があります。
と言っても、一気にこれだけを覚える必要はありません。一つずつ先輩が教えてくれます。
私のところでは、周りが高校生ばかりだったからか、フレンドリーな人達ばかりで、忘れてももう一度聞いたら優しく教えてくれました。
異動で2店舗目に行った時も、周りの人が新人に優しく教えていましたので、覚えることはたくさんありますが、プレッシャーはそんなにないと思います。
叱られることも滅多にありませんでしたし。
オリジナルチキンは作り始めてからお客さんに提供できるまで、25~30分くらいかかります。ですから、注文される前に作っておかなければならないのです。
そのためにも、いつどれくらいチキンを作っておくべきかを考え続けないといけません。
時間帯によって目安みたいなものがありますので、それさえ覚えていたら基本的には問題ありません。ただ、飲食店ですから、どれくらい売れるのかは完全に未知数です。
いきなり数十ピースも売れてしまうこともあれば、いつもは1時間で90ピースくらい売れる時間帯なのに、30ピースしか売れなかったり。
長く働いていると、ある程度流れみたいなものが分かってくるのですが、どれくらい用意すべきかは運によるものが大きいです。
オリジナルチキンだけでなく、クリスピーやビスケットも同じように、時間帯によって作っておく量を調整する必要があります。
目安通りの量を作っているなら注意されることはありませんが、多く作り過ぎて余らせてしまったり、チキンの量が足りなくなった場合は少し気まずいです。
というか、怒られることがあります。コントロール不可能なのに理不尽に怒る人がいたので、その人と一緒の時はきつかったです。
クッカーというのは、オリジナルチキンを揚げる圧力鍋(機械)のことです。
その機械の操作自体は難しくありませんが、スイッチを入れて油の温度を上げたり、チキンの量によってボタンが違っていたり、慣れている人でも小さいミスをしてしまうことがあります。
私も長く働いてきたのですが、間違えてしまったことが何度かあります。
よくあるミスは、クッカーに油が入っていない状態で温度を上げてしまうことと、チキンの量と押すボタンのミスです。
特に気を付けないといけないのが、クッカーに油が入っていない状態で温度を上げてしまうことです。空焚きになってしまい、最悪クッカーが壊れてしまうそうです。
私はもちろん、他の人も何度か空焚きをやってしまいました。壊れてしまうことはありませんでしたが、焦げニオイが店内に広がってしまいました。
また、押すボタンを間違えると生焼け状態になってしまったり、逆に火が通り過ぎることがあります。
36ピースが全て台無しになってしまうことも…。36ピース全部捨てること自体もったいなく感じるのはもちろん、お客さんへの提供のが遅れて怒られてしまうことも…。
ケンタッキーの商品の多くは揚げ物です。そのせいで、仕事が終わった後は油のにおいが体に染みついてしまいます。
私は厨房で働いていて、チキンを揚げまくっていたせいだと思っていたのですが、ケンタッキーのアルバイト経験をした人の口コミを見てみると、どうやら女性(レジやフライヤー)も油のにおいが染みついていたそうです。
私は時々家族に「ケンタッキーのにおいがする」と言われることがありました。
土日祝祭日、にわとりの日(毎月28日)は忙しいです。
いつもよりたくさん作らないといけなくなるので、その分仕事が増えることになります。
仕事量が倍になるというと大げさではあるのですが、いつもよりも忙しくてきついです。とは言っても、とてもしんどいとかではなく、適度に忙しいって感じ。
なので、あっという間に時間が経っていて、いつの間にか仕事が終わっているという感覚になるので、個人的には忙しい日の方が好きです。
それに、忙しい日はバイトに入る人数も増えるので、きついのは苦手という人も大丈夫だと思います。
ケンタッキーのクリスマス期間は本当に大変です。具体的に言うと、23~26日の3日間です。
その期間は、文字通り朝から晩まで働き詰めでした。私は朝の6時~夜の12時まで出勤でした。
休憩は3回(各1時間)あるのですが、朝から晩まで動き続けるというのは、肉体的には結構きつかったです。
肉体的にはしんどい部分もありましたが、それ以上に充実感もあります。
全員が出勤で、みんなで一丸となってチキンを作り続けるのは結構楽しいです。普段は一人でやる作業を、二人で協力したり、最速を目指してチキンを作ったり。
仕事が終わった後も、全員がやり切ったような充実した表情をしていました。
今でも忘れられないくらい良い思い出です。3日間は大変ですが、その分すごく充実感がありました。以下の記事で詳しく書いています。
仕事ならなんでもそうかもしれませんが、任せられるようになったらやっぱり嬉しいです。
ケンタッキーの場合、チキンをどれくらい作るのかは、ある程度経験した人が行うことになります。
私もチキンをどれくらい作るのか任されるようになってからは、自分で考えてお店を回している感じが楽しかったです。
チキンを余らせることなく、良い感じの量を作れた時は最高です。
急にお客さんが増えたり、たくさん注文してくれるお客さんが現れたり、ケンタッキーは流れがいきなり変わります。
暇だなぁ、と思っていると、急に忙しくなったり、焦ってチキンを作っていたのに、急に落ち着いたり。
個人的にはそれが楽しかったです。
予定が分かっている方が良いという人はイヤかもしれませんが、イレギュラーを楽しめる人はケンタッキーでも楽しく働けると思います。
ケンタッキーでアルバイトをした人の口コミを見てみると、職場の人間関係は良くて、働きやすいという意見が多くありました。
私自身もそう思います。一緒に作業することが多い仕事だからか、自然とコミュニケーションを取る機会が増えて、自然と仲良くなっていくんですよね。
内気な人もいましたが、周りの人が適度に話しかけたりして、気が付けば輪の中に入っていました。
アルバイトならどこもそうかもしれませんが、ケンタッキーではシフトの希望に融通が利きます。
休みにして欲しい日や出勤を希望する日・時間帯などを指定できます。
私は当時ダブルワーク&学生だったのですが、休みの日や出勤する日・時間帯を調整してもらえました。
5時間とか4時間くらいの時間でも気軽に働けるのは良かったです。
私は2つの店舗で働いた経験があります。そこで分かったのは、店舗によって忙しさが全然違うということです。
最初に働いた店舗は客入りが良く、平日でもそこそこ忙しく、常に何かしら仕事をしているって感じでした。休日は基本的に動きっぱなしになるくらい。
次に働いた店舗は平日は基本的に棒立ちしているくらい暇で、休日でも時々チキンを作ってはぼんやりしているって感じでした。
適度に忙しい方が良い人はよくお客さんが入っている店舗、のんびり仕事がしたい人はあまりお客さんが入っていない店舗を選ぶと良いでしょう。
2店舗目は暇すぎて時間が経つのが遅く感じてしまっていたので、個人的にはそこそこお客さんが入っているような店舗が良いです。
ケンタッキーのアルバイトは、きついと思うこともありましたが、基本的にはそんなにしんどい仕事ではありませんでした。
周りの仲間も良い人たちばかりでしたし、やりがいもありましたから。
私は、初めてのアルバイトがケンタッキーだったのですが、最初に働いたところがケンタッキーで良かったと思います。
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