これからケンタッキーでのアルバイトを考えている人は、仕事として覚えることは何か、どんな仕事内容なのか気になりますよね。
案ずるより産むが易しとはいえ、知らないところに飛び込むのはやっぱり怖いと思います。
私は、ケンタッキーのキッチン(ケンタッキーでは厨房と言っていました)で4年間働いてきましたが、正直、そんなに人を選ぶような仕事ではないと感じました。
力仕事も多くはありませんし、仕事自体も難しいことはほとんどありませんでしたから。
ここでは、私が厨房で働いていた頃の体験談を交えて、覚えることはどんなことがあるのか、仕事内容はどういったものかについてお話します。
キッチンの仕事と言っても、細かく分けるとかなり多くなってしまうので、大まかな仕事内容を紹介します。
早い段階で覚えることは、チキンのパーツをさばく作業(通称さばき)です。
さばくというと、切る仕事を想像すると思いますが、そんなことはしません。むしろ、ケンタッキーの厨房の仕事では刃物は滅多に使いません。ハサミで袋を切る時くらい。
では、さばきとはどんな仕事なのかというと、簡単に言うとチキンのパーツを仕分ける作業です。
チキンのピースは、
の5種類となっていて、それをポット(ポッド?)という小さなカゴを用意して分けていきます。ポットを2つ用意し、片方にドラム・サイ・ウィングを入れ、もう片方にリブ・キールを入れます。
こうして仕分ける意味は、スムーズにチキン作りをするためです。
私がこの仕事を最初に覚える時、パーツの名前と見た目、何をどこに入れるのかというところに苦労しました。
「キールってどれだっけ?」とか「これってサイ?リブ?」というように、チキン=ドラムと思っていましたので、ドラム以外の種類や形を覚えるだけでも大変でした。
そもそも、あまりケンタッキーを食べる習慣がなかったからか、パーツが5種類もあると知っただけでも驚きでしたし。
それに加えて、どのパーツをどこに入れるのかも覚えないといけないので、さばきができるようになるまでに時間がかかってしまいました。
とはいえ、パーツの種類を覚えられると、後は簡単にできるようになりました。
ケンタッキーと言えばチキンですよね。厨房の仕事のメインと言っても良いのがチキン(正確にはオリジナルチキン)を作ることです。それがまた、色々なこだわりがあって結構難しいんですよね。
さすがケンタッキーという感じです。
チキンを作るうえで覚えることは以下の3つです。
生のチキンをMEDと呼ばれる白い液体につけ、次にフラワーと呼ばれる粉の中で混ぜ、ほど良くフラワーを落とし、特殊な形のカゴに並べていきます。
全部並べたら、熱した油が入っているクッカー(チキンを揚げる機械)に入れ、フタをして、機械を操作したらチキンが揚がるまでの15分間、他の仕事をします。
クッカーの操作方法はそんなに難しくありません。チキンのピース数に対応したボタンやレバースイッチの役割さえ覚えておけばOKです。
店舗にもよりますが、クッカーは5台くらいありますので、状況によって稼働させる台数が変わります。
私がチキン作りで大変だと感じたのは、並べ方を覚えること。
チキンをカゴに並べる時、部位によってどこに置くのか決められています。どこにどれを並べたら良いのか、最初の内はなかなか覚えられなくて苦労しました。
また、同じピース数でも入っている部位の数が若干違っていることがあり、その違いに応じて並べ方や置き場所を変えないといけないのも結構大変でした。
ケンタッキーにはポットパイとか、クリスピー、ポテトなどがありますが、厨房が作るのは基本的にオリジナルチキンと期間限定のチキン(レットホットなど)だけです。
他の商品はフライヤーというポジションの人が作っています。ちなみに、フライヤーには女性が入ります。
厨房はオリジナルチキンと期間限定のチキンだけとはいえ、結構忙しいです。基本的にはチキンを食べに来ている人がほとんどなのですから。お客さんがたくさん入ってくる時間帯とかは、ずっとチキンを作りっぱなしというのもよくあります。
その時は2~3人で厨房を回しているはずですから、キツイというほどきつくはないです。むしろ、個人的にはほど良い忙しさの方が充実感があって好きでした。
夕方になると清掃が始まります。チキンを作りながらの作業となるのですが、2~3人入っていて、チキンを作る人と清掃をする人に別れて仕事を行います。
清掃はクッカーの下の油を溜める箱みたいなものをキレイにしたり、クッカーの下にあるフィルターを交換します。清掃の仕方を覚えると言っても、そこまで難しいことはありません。
フライヤーもクッカーと同じように清掃します。仕組み自体もほとんど同じです。
それから、チキンを並べている大きなトレイやバスケット、チキンを入れるポットなどを洗います。洗い方というと大げさかもしれませんが、洗い物をしたことがある人なら自然とできるくらい簡単です。
他にも、ごみ袋をまとめて捨てに行ったり、床を洗剤で洗った後、水で流すなどの仕事を覚えます。
覚えることと言えばクッカーの使い方くらいなので難しくはですが、正直面倒くさいです。
トレイにこびりついたチキンのカスは、ある程度お湯につけておかないと落ちにくく、せっかくキレイにしても、急に忙しくなってまた汚れてしまったり…。
慣れてしまえばぼんやりしながらでもできる作業ではありますが、毎日のことなので、地味に面倒くさいなぁと感じていました。
厨房の仕事には、雑用のような仕事もあります。
仕事自体は大変ではありませんが、分量を覚えるのが少し大変でした。1袋に対して水○○mlとか。
フラワーは袋の数で作っているので覚えやすいのですが、バッター液は粉と水が1:1(重さ)で作る必要があり、半端な量が残っていることが多いので、都度計らないといけないのが地味に面倒です。
水と粉のバランスを間違えてしまうと、「ちょっと固いよ」とか「少しゆるいね」と言われることも…。ただ、「今日のバッター液はちょうどいいよ」と言われた時は嬉しかったです。
こうした雑用のような仕事はごみ捨て以外は急に入ってくるので、忙しい時に言われるとパニック状態になることもありました。
クリスマス(23~25日)は、新人以外のアルバイト総出で1日中チキンを作り続けることになります。
私は朝の6時~夜の12時までというシフトを3日間行いました。みんなで協力して、全力でチキンを作り続ける3日間が続きます。
朝から晩までというだけでも大変なのに、1秒でも早くチキンを作らないといけないのも大変でした。
ただ、みんなで一丸となってチキンを作り続けている時間はすごく楽しく、終わった後も充実感がありました。
あの心地良さや充実感を感じられたのは、ケンタッキーだけです。
私は、仕事を長く楽しく続けていくためには人間関係が重要だと思っています。
仕事自体はやりがいがあって楽しかったとしても、周りの人たちの関係が悪く、職場の雰囲気がピリピリしていたら、気を遣って疲れてしまうと思います。
逆に、仕事自体は単調で、やりがいも感じられなかったとしても、職場の雰囲気が良くて、気の置けないくらい仲の良い人ばかりなら楽しく働けると感じています。
私は、ケンタッキーが初めての労働経験だったのですが、その後に働いた職場で嫌な上司にあたったり、雰囲気の良くない職場で働いたことがあります。その時初めてケンタッキーがどんなに恵まれていた職場なのかを実感しました。
友達と一緒に仕事をしているかのような感覚で働けて、毎日バイトをしても良いと心から思いました。
ケンタッキーでアルバイトをしていると、「用事ができたので、代わりに出れませんか?」と、空いている日に代わりに出勤するのを申し込まれることがありますが、ある時こんなことがありました。
私が週5でシフトが入っている時に、シフトが空いている日(別の日)に2人から代わりの出勤をお願いされ、代わりに出ようとしたら、店長から「この日に入ったら週7の連続勤務になるからダメ」と言われてしまいました。
それを言われて、初めて毎日働いていたことに気が付いたくらい、ケンタッキーの居場所が良かったのです。正直、家でのんびり過ごすよりも働いていた方が楽しいとすら思っていました。
居場所が良かったと感じられたのは、一緒に働く人が良い人達ばかりで、人間関係が良かったからだと思っています。
働いている人の平均年齢が若いからというのもあるかもしれません。遊びの延長で仕事をしているというか、仕事の中にも自由感があるというか。もちろん仕事はちゃんとやっていますよ。
色々な職場を経験しましたが、あんな感じで楽しみながら仕事ができる職場はありませんでしたね。
色々覚えることもありますが、ケンタッキーのキッチンは接客もありませんし、基本的にはチキンを作るだけですから、慣れてしまえばそんなに大変なことはありません。
私としては、流れ作業感覚でできますので、少し楽しいくらいでした。
仕事自体は難しくなく、基本的に誰かと一緒にキッチンで働くことになりますので、作業感覚で仕事をするのが好きな人、コミュニケーションを取るのが好きな人に向いています。
この2つに当てはまる人であれば、楽しく働けると思います。
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