いじり、いじめ…。
その違いや境界線って何なのでしょうか。
全く同じセリフを同じ人に言ったとしても、笑いのあるいじりで済むこともあれば、心が大きく傷つくこともあります。
私は小学3年生の頃にいじめにあいました。いじめ自体はそこまでひどいものでもなく、短期間で終わったため、幸いトラウマになることもなく、それ以降は平和に過ごしていました。
そして、今も平和に過ごしています。それは中学、そして高校になって、よくいじられる、いわゆる”いじられキャラ”になっても変わりませんでした。
むしろ、私はいじられることが好きでした。中には、不快に感じるというか、イライラするようないじりにあったこともありますが、基本的には楽しかったです。
ここでは、私の経験を通して、いじめといじりはどんな違いがあるのか、そして他の人が言ういじめといじりの違いについてもお話します。
私が思う「いじめ」と「いじり」の違い
私が考える、いじめといじりの違いを簡単にまとめると、『本人が不快になったらいじめ』です。
これは完全に個人的な意見であり、偏った考え方なのかなとも思っています。
私はよく周りから天然だと言われていて、それをいじられることも多かったのです。これに関しては、不快に思ったことはありませんでした。
というのも、いじる方からは愛情を感じていたからです。
愛情と言うと少し照れくさいのですが、友達として面白い人だと思ってくれているとか、いじった時の私の態度を楽しんでいるのが伝わったからです。
逆に、不快に思う時は、嫌味が込められているというか、バカにしているとか舐められているみたいなものを感じます。
言われている方は、言い方、表情、態度、言った後の言動、そもそもの関係性などから、悪意の有無は分かります。少なくとも私は感じます。
悪意があると本人が感じたのなら、それはいじめに分類されるのではないかと思っています。
愛があれば良いという訳ではない
上の部分だけを読むと、「じゃあ言う側に愛があれば良いのね」と思う人もいるかもしれませんが、そう簡単な話ではありません。
というのも、いじり方によっては愛があろうがなかろうが、傷つくことがあるからです。
例えば、私は声にコンプレックスがあり、声系のいじりはすごく嫌でした。まぁ、私が嫌そうな顔をするのか分かりませんが、幸いあまり声に対するいじりはありませんでしたが…。
もし、あなたがいじる側であるなら、あなたのいじりで相手がどんな表情をしているのか、本当は困っているのではないかとよく見てあげてください。
できることなら、二人でいる時に直接確認した方が良いです。
他の人の言ういじりといじめの違い
親しい仲で行うものが「いじり」
「親しい仲で、言われた方が不快に思わないようなものであれば大丈夫だと思います」
確かに、私自身あまり関係を築いていない人からいじられた時は、ビックリすることも多かったですし、結構的外れなことも多かったんですよね。
いじり方に愛を感じないっていうか、「それは傷つくな…」と思うことも多かったです。
信頼関係を築けている相手だから、言われても傷つきにくいというのもあったと思いますが、それ以上に相手が『ここまでなら傷つかないだろう』というラインをちゃんと守っていたのも大きな要因だと思います。
相手は無意識だとは思いますが、私と会話をして私を知っているからこそ、傷つかないラインでいじることができたのだと思います。
やっている側だけが笑っているのが「いじめ」
「いじりは愛情、信頼関係があって成立するもの、いじめはやっている側だけが笑っていること」
簡潔にまとめていますが、この言葉はお笑い芸人の土田晃之さんの言葉です。
いじりと多く触れる職業だけあって、重みというか説得力がありますね。愛情も信頼関係もないなら、いじられている方も不快に思うだろうし、見ている方も笑えないですから。
この意見を聞いていた坂上忍さんは、「芸人さんをいじって、休憩中に『ありがとうございました』って言われることがある。そう言うことだよね」と。
言われた方も楽しい、見ている方も楽しいなら何も問題ありませんからね。
みんなが楽しめるなら「いじり」、言われた方が傷つくなら「いじめ」
「相手を含めてみんなが楽しめるならいじり、言われた方が傷つくならいじめだと思う」
これも納得できる意見ですね。
仲が良い関係でなくても、言われた本人も含めて楽しめるのならいじめではないと思います。
誰も傷つけずにいじるというのも難しそうですが、それでもみんなが楽しめるように頑張って欲しいですね。
一時的なからかいは「いじり」、長期的に続くのが「いじめ」
「一時的なものならいじり、長いこと続くのはいじめ」
個人的な意見を言わせてもらうなら、これに関しては一理あるとは思うけど、全面的に肯定することはできないって感じです。
一時的ないじりでも、内容次第ではずっと忘れられないくらい、精神的にダメージを負うこともあります。逆に、長期的に続いていたとしても笑い話で済むこともあります。
う~ん、これに関しては言われている本人の性格とか、言っている側との関係性などにもよるのではないのかな、と思います。
客観的に判断するための指針、という意味では分かりやすいかもしれませんが。
まとめ
全く同じことが起こっても、言い方・お互いの関係性・言っている方や言われている方の気持ち・表情などの要素によって、印象が大きく変わります。
なので、いじりかいじめかに関して、「ここまではセーフだけど、ここからはアウト」なんて決めることは非常に難しいです。
もしあなたが、「私(俺)はいじりのつもりだけど、傷つけていたかも」と心配してこの記事を見ているのなら、直接本人に聞くことをおすすめします。
その時は1対1で、なるべく本音を打ち明けやすいように配慮してあげてください。