放出というと、一般的には「ほうしゅつ」と読みますが、人によっては「はなてん」と読んでしまうかもしれません。
日本人なら誰でも読めるような簡単な漢字なのに、どうして読み方が違う人がいるのでしょうか?
その理由を解明します。
「はなてん」と読む人がいる理由
「はなてん」じゃないの?と、不思議に思ってしまう人もいるかもしれません。
そう思う人は、きっと大阪で生まれ育ったのでしょう。
というのも、放出は大阪府大阪市鶴見区と城東区にまたがっている地域の名前であり、その読み方が「はなてん」だからです。
放出小学校や放出中学校、放出駅など、この漢字を見る機会が多く、その読み方が「はなてん」なのですから、むしろ「ほうしゅつ」の方が違和感があると思います。
ですが、テレビや本なんかでもよく出てくる漢字ですから、「はなてん」と読んでいる人は、「ほうしゅつ」に変えるように努力した方が良いかもしれませんね。
通常とは違う読み方の面白い地名
大阪の「はなてん」の他にも、同じ大阪の十三と書いて「じゅうそう」、兵庫県や滋賀県では大物と書いて「だいもつ」など、面白い読み方をする地名がたくさんあります。
ちなみに、大阪市営地下鉄には喜連瓜破(きれうりわり)駅があります。これに関しては地元の人以外は絶対に読めないですよね。
「はなてん」に関する豆知識
この地域が放出を「はなてん」と読むようになったのは2つの説があります。
湖水が旧淀川への放出口になっており、水の「はなちてん」と言われていたのですが、それがなまり「はなちで」から「はなてん」と読むようになったそうです。
2つ目は、ある泥棒が三種の神器のひとつである草薙剣を盗み出し、その逃げ道に船を使っていたところ、この地に漂着し、神の怒りを恐れて剣を「放った」からという説。
「はなてん」に限らず、その地域独特の読み方があるっていうのは、なかなか面白いですよね。
他県から大阪に来て、この地名を見たらきっと「ほうしゅつ」と読んでしまって、「ほうしゅつ駅ってどこにありますか?」なんて言ってしまうかもしれませんね。