優しい夫は、第三者から見れば「羨ましい」のひと言でしょう。
家事や子育てを手伝うのではなく、妻と同じ目線でがんばってくれそうです。疲れたらマッサージをしてくれそうだし、声を荒げることなんてまずないだろうなと思います。
優しさに溢れる人と結婚することは、最良の選択と言えます。
しかし、優しい夫をもつ妻たちのなかには、優しさに甘えすぎて好き放題にやっている人がいます。
かつては私もその一人でした。
優しさに甘えている内は、なぜかものすごく強気で、むしろこっちが別れることを考えているくらいでした。優しさを物足りないと感じ、他にもっといい人がいるかもしれない…なんて思っていました。
甘えられる人がいるからこその自信だったんだと気づくには、1年くらいかかってしまいました。
優しい人というのは、限界まで我慢します。そしてある日突然、離婚をつきつけてくるでしょう。ここまでくると、やり直すチャンスはほとんどないと思ったほうがいいです。
優しい夫の優しさを当たり前だと思っていたら、必ず痛い目を見ます。そして、離婚したらこれまでの自分の行いを振り返っては激しく後悔するでしょう。
私は夫を失うまえに軌道修正できたので、ラッキーでした。
優しい夫と離婚しない、後悔しないためにも、自分の言動や態度を振り返ってみてください。
ここでは、私が反省するきっかけになった問いかけを3つ紹介します。
ワガママになっていませんか?
優しい夫をもつと、妻は調子に乗ってワガママになってしまうのは、あるあるな話だと思うのですが、どうでしょうか。
私が調子に乗っていた時期は、結婚してからではなく、付き合い始めから1年くらいです。
細かいことは省きますが、とにかくワガママな女でした。
心配してくれているのにうるさい!とキレる、気を使って身の回りのことを色々やってくれるのに触るな!とキレていました。あれも嫌、これも嫌…と、まるで反抗期みたいな感じでした。(今思えば、彼はなぜ私のそばにいてくれたんだろうと不思議です)
私のワガママに対して、彼は何も言わずにただそばにいてくれました。
言葉は少ない人でしたが、私に対する愛情は行動や態度でよく分かりましたし、本当に大切にしてもらいました。
しかし当時の私は、彼が言いなりになっているだけのように見えて、それが物足りないと感じていました。
物足りないから、自分で問題を起こしては騒いでいたのかもしれません。
私の場合、自己主張をあまりしない彼が辛すぎると涙したことがあり、それがきっかけでやりたい放題な自分に気付くことができました。反省し挽回するチャンスを与えてくれた彼には本当に感謝しています。
優しい夫は、言葉が少ないかもしれません。本心が見えないかもしれません。
でも、それらはあなたを優先にしているからです。その優しさに横暴な振る舞いで返すなんてあってはいけません。
生活に刺激を求めていませんか?
彼と出会う前の私は、恋愛=刺激!と信じて疑わず、毎日感情がジェットコースターでした。
大学時代は「この人を好きになったら辛いだけ」と分かっているのに、ズルズルはっきりしない関係を続けていました。
不幸って本当に刺激的ですよね。自暴自棄になったり、食欲失せたり、ドライブして黄昏たり、メールがちゃんと届いていないんじゃなかと何度も何度もメールセンターに問い合わせたりなんかして。
そんな不幸にまみれた生活を送っていた私が社会人になって出会ったのが、今の夫です。
全然不幸にならないからそれが怖くて、優しさを物足りないと勘違いしてしまったようです。
しかし、恋愛や結婚生活においての基盤は「安心」なんだと気づいてからは、刺激なんて一切不要になりました。
多くの場合、穏やかで地味な幸せは失ってから気づくものです。
私は運よく失う前に気づけましたが、危ないところでした。
油断すると見過ごしてしまうくらい小さな幸せが、そこらじゅうに転がっているのが結婚生活だと思います。
刺激を求めなくなった私は、幸せの感度がかなり上がりました。
夫がいなくなった世界をリアルに想像しましたか?
優しい夫は、完璧な人間ではありません。優しさがときに短所に思えることもあるでしょう。
私はこんなことを思っていたことがありました。
- 「優しいのではなく、ただ優柔不断なだけでは?」
- 「何も言ってくれないから、話し合いも喧嘩もできない」
- 「頼りない人だな…」
今は「自己主張も兼ね備えた優しい夫」にグレードアップしましたが、付き合ったばかりの頃は、優しさが短所に見えることが多かったです。
しかし、短所ばかり見て別れを決断すると、きっと後悔します。
想像してみてください。
優しい夫と離婚するということは、これまで与えられてきた優しさがすべてなくなるということです。
優しい夫は、愛情表現が分かりやすいです。気遣ってくれますし、褒めてくれるし、甘やかしてくれるし…。きっとあなたを大切にしてくれたでしょう。
それが全部なくなったとき、あなたはどう感じるでしょうか。
リアルに想像したいなら、用事をつくって実家に帰るとか、一人旅をするなどして、物理的に一人になることをおすすめします。数日でも十分です。
私は想像力が豊かなほうなので、一泊でも十分でした。絶対に手放してなるものか、ずっと私を見てもらえるようにがんばらなくてはと思いました。
まとめ
私の夫は、自由過ぎる私に限界を感じて、別れることを考えていたそうです。
もう少し改心するのが遅かったら…と思うとゾッとします。
優しい夫との離婚はある日突然やってくるかもしれないということ。そして、その離婚は後悔する可能性が高いということ。
この2つは忘れないでくださいね。