朝になるとお腹が痛くなったり、突然泣き出したりして、学校に行きたくない…とお子さんが言い出したらどうしますか?
・不登校になってしまったらどうしよう…
・学校で嫌なことでもあるのかな…
など、不安の種は尽きることがありません。
ここでは、小学生が学校に行きたくない理由と親ができることについて紹介していきます。
目次
小学生が学校に行きたくない理由【1~2年生】
母子分離不安
保育園や幼稚園などこれまで自由に遊べていた環境とは違い、小学生になると勉強や集団行動を身につけなければいけません。
毎日が新しいことの連続で、なかなか上手くいかないことも出てきます。
それなのに、いつも一番近くで見守り助けてくれたお母さんがいない環境というのは、お子さんにとって不安でいっぱいです。
また、学校に行っている間にお母さんがいなくなっていたらどうしよう…という不安にかられてしまう子もいます。
環境の変化による不安
小学生になると、毎日大きなランドセルを背負って学校に行き、いろいろな勉強をすることになります。
低学年のうちはまだまだ初めてのことだらけで、授業・学校行事・休み時間・給食・掃除など、環境に馴染むのが大変な時期。
給食が多いから学校に行きたくない…など、お父さん・お母さんからするとちっぽけなことでも、お子さんにとっては大きな問題になっていることもあります。

小学3~4年生の行きたくない理由
友達関係
小学生のうちは、学校に通うことでたくさんのことに挑戦して、成功や失敗を繰り返しながら大きく成長していきます。
ですが、3~4年生って誰かが笑うと周りの子も一緒に笑ったり、からかったり…。
相手の気持ちをそこまで考えずに、その場のノリで傷つけるような言葉を言ったり、そんなつもりはなかったのに…ということが多いです。
そして、友達のちょっとしたひと言を真に受けてしまい、なかなか立ち直れない場合が出てきます。
実際私も、みんなの言葉を真に受けてしまい、学校に行くのがものスゴく嫌で、どうにかして休めないものかと思い悩んでいました。
学校に行きたくないけど行かなければいけない…大きな大きなストレスでした…。
授業についていけない
低学年のうちは簡単な基礎を習っている状態なのでそこまで大きな差は出ませんが、高学年になってくると難しい漢字は出てくるし、図形や分数など授業がどんどん難しくなっていきます。
たった1つのわからないことが、授業が進むにつれて大きく影響してしまうことも…。
学校生活はいろいろな勉強をする場所なので、授業についていけなくなると座っているのも苦痛でしょうがなくなります。
先生に指名されることもあるので、私の場合、いかに存在感を消すかのほうに集中していた記憶があります。
定期的にテストもあるし、通知表も…。
授業についていけなくなると、もう学校なんて行きたくなくなりますよね。
小学5~6年生の行きたくない理由
担任の先生が苦手
高学年になるにつれてどんどんレベルアップすることが求められるので、担任の先生も優しいばかりではありません。
・宿題をやってこない
・授業中に騒がしい
といったことで注意されるのは当たり前ですが、
・積極的に発言しよう
・集団行動を身につけよう
など性格的なことに関しては、そうしたくてもなかなかできないのが現実なので、お子さんにとって大きなストレスに…。
私の場合打たれ弱かったので、ちょっとしたことでも全否定されたように感じてしまい、学生時代を振り返ってみるとほとんどの先生が苦手でした(笑)
孤立やイジメ
低学年の時と違って、気の合う子たちでグループを作るようになり、どのグループにも馴染めずに孤立したり、仲間外れにされることもあります。
学校生活において、
・誰もしゃべってくれない
というのは耐え難い状況です。
1人でヒョウヒョウと過ごせる子もいますが、小学生のうちはみんなと一緒になることで安心できたりするんですよね。
特にこれと言った理由がなくても、最初はちょっとからかったつもりがどんどんエスカレートして、イジメに繋がることもあります。
そうなると自分だけで解決することは難しいので、学校に行きたくなくなるのも無理ありませんよね…。
親のプレッシャー
親の立場からすると、自分の子どもには失敗せずに苦労しない人生を送ってほしいもの。
その気持ちが強いあまり、
・もっといい学校に行きなさい
もっと…もっと…という姿勢がお子さんにとって大きなプレッシャーとなり、学校に行くのが嫌になってしまいます。
また、お父さん・お母さんに褒めてほしい、認めてもらいたいという気持ちから自分の気持ちを隠して言う通りになって、その緊張の糸が突然切れると
・何もやる気が起こらない…
など軽いうつ状態に陥ってしまう場合もあります。
親がお子さんにできる9つのこと
行きたくない理由を考える
あなたのお子さんは、どうして学校に行きたくないと言っているのでしょうか。それを理解することはどう対処すればいいのかを考える上で非常に重要です。というよりも、理由が分からないと対処もできません。
まず、直接お子さんに行きたくない理由を聞いてみましょう。
小学生だとうまく言葉にできないかもしれませんし、本人が思っている理由は少しズレている場合もありますので、あなた自身も色々その理由を考えてみてください。
「○○(友達)とケンカした」→いじめ?、「体調が悪い」→学校に行くのが辛い?、「バカにしてくる」→勉強についていけない?など。
もしかしたら、ただ、駄々をこねているだけかもしれないというように、あらゆることが考えられますが、子どもの様子を見ながらどんな理由で行きたくないのかをあなたなりに色々考えてみてください。
理由を聞いたら、親としてアドバイスをするのではなく、子どもと同じ目線でどうしたら学校に行きたくなるのかを考えてください。
自分が小さかった頃を思い出してみたり、友達にアドバイスをする感覚で話をするとお子さんにとっても相談しやすくなるでしょう。
いっぱいスキンシップをとる
朝、学校に行くのが嫌で泣いてしまうのは、不安が大きいから。
なので、まずは学校から帰ってきたら笑顔で迎えて、いっぱい褒めてあげましょう。
お仕事で留守にしている場合には、おやつと一緒に手紙を添えるのもいいですね。
・楽しかったこと
・嬉しかったこと
・困ったこと
・悩んでいること
ゆっくり時間をかけて、いっぱい話を聞きましょう。
「いつでもついてるから、大丈夫だよ」という気持ちを伝えて、安心してもらうことがポイントです。
プレッシャーを与えない
自分の子供が学校に行けなくなってしまった場合、親としてはこのまま学校に行けなくなるのではないか…という不安から、
・このままじゃみんなに置いてかれるよ
・大人になってから苦労するんだよ
などプレッシャーを与えてしまいがち。
でも、焦らずゆっくりお子さんのペースに合わせることも大切です。
余計なプレッシャーは学校へ行きたくない気持ちを強くしてしまうので、担任の先生と相談して保健室登校を許してもらったり、初めは好きな教科の時間だけ出席するなどの工夫をしましょう。
できたことに関してはとことん褒めて、お子さんの精神的な負担を減らしてあげることがポイントです。
一緒に勉強する時間を持つ
勉強が苦手なお子さんの場合には、お家に帰ってきてから、お父さん・お母さんも時間の許す限り一緒に勉強してみてください。
今、お子さんがどんな勉強をしているのか知ることができるし、小学生でも高学年になると大人でも難しくて驚かされることもありますよ。
・宿題はちゃんとやったの!?
と、ただ上から目線で言うよりも、宿題が終わったら一緒におやつも食べようね、などやる気が出るような環境作りも大切です。
苦手な教科はクイズ形式にしてみたり、歴史が苦手なお子さんには歴史漫画を買ってあげるのもいいですよ。
規則正しい生活を送る
もし、学校に行けなくなってしまっても、規則正しい生活だけは崩さないようにします。
朝、学校に行く時間には起きて朝食を済ませ、勉強が遅れすぎると学校に戻り辛くなるので、時間があればお子さんの勉強を見てあげましょう。
学校に行くのはお子さんのペースに合わせても、夜遅くまで起きたり、自分の部屋に閉じこもりっきりなどわがままな生活をさせてはいけません。
お家の手伝いや買い物がてら一緒に散歩するなど、外に出て体を動かすことも忘れずに。
テレビやネットでも学校の勉強を学ぶことができるので、上手く活用してみてください。
学校を休ませてあげる
学校に行きたくないのであれば、無理に行かせるのは得策ではありません。
親としては、子どもの将来のためにと多少厳しくしてでも、無理に学校に行かせてあげたくなる気持ちは分かりますが、学校=嫌な場所という思いが強くなってしまっては本末転倒ですよね。
それに、学校がイヤだと思っているなら、家が唯一自分の居場所だと思っているかもしれません。それなのに、家から追い出すように学校に行かせてしまうと自分には居場所がないと思い込み、自分を追い詰めてしまうかもしれません。
「そんなに辛いなら今日は休んでみるか」とあなたから促してみてください。
とはいえ、行きたくないと言えば簡単に休めると、味を占めてしまうリスクもありますので、お子さんの様子を確認しながらさじ加減を調整する必要があります。
本当に辛くなった時の逃げ場所を用意してあげるのも、親としてできることの一つですよ。
ただし、勉強だけはさせた方が良いです。
他の子と勉強で差がついてしまうと、劣等感で学校に行きたくなくなってしまう可能性がありますから、遅れないように自宅で一緒に勉強してあげてください。
もしかしたら、学力に自信がついて学校に行くのが楽しくなるかもしれませんね。
精神的に安定する食材を積極的に取り入れる
カルシウム
歯や骨を作る栄養素であることはもちろん、神経の興奮を抑える働きがあります。
不足するとイライラしてしまうので、カルシウムの吸収を促す働きのあるビタミンDも一緒に摂ると効果がアップします。
ビタミンB6
神経伝達物質の合成に必要不可欠で、不足するとイライラしたり、記憶力の低下など中枢神経の障害を招きます。
また、たんぱく質の代謝をサポートして、皮膚を丈夫にする働きもあります。
トリプトファン
トリプトファンは、精神安定や鎮痛作用などがある神経伝達物質のセロトニンの原料となる必須アミノ酸です。
脳に運ばれたトリプトファンは、ビタミンB6やマグネシウムと一緒にセロトニンを作ります。
*セロトニンとは…
ハッピーホルモンとも呼ばれ、精神面に大きな影響を与えます。
・精神的に安定する
・漠然とした不安が和らぐ
・幸福感や満足感を感じやすくなる
などの効果があります。
マグネシウム
脳や神経の興奮を和らげ、精神を安定させます。
清涼飲料水や加工食品に多く含まれるリンは、マグネシウムの吸収を妨げるので、摂り過ぎないようにしましょう。
親として絶対にやってはいけないこと
「とにかく!」は厳禁!
子どもが駄々をこねて「学校行きたくない~」と泣いていると、「とにかく行って来なさい!」と言ってしまうかもしれません。
お子さんの将来を考えると、ちゃんと学校に通ってもらいたいのが親心ですよね。ですが、「とにかく!」と言うとお子さんにとっては自分の気持ちを無視されたとように感じてしまいます。
もしくは、なんだか突き放されたような気持ちになってしまうもの。
学校にことに限らず、「とにかく~」という言葉はお子さんの気持ちを無かったことにする魔法の言葉ですから、日常的に使わない方が良いです。
最悪、お子さんからの信頼関係すら揺るがしてしまう可能性もあります。
他の子と比べない
「○○(人の名前)も頑張って学校行っているんだから!」というように、他の子と比べてはいけません。
それは劣等感を感じてしまう原因になり、子どもが自己否定を始めてしまう原因になります。自分が優れている部分があったとしても人を見下す子になってしまいます。
それは親として望ましい結果ではありませんよね。
全く同じ環境でも考えることは全然変わりますから、お子さんの考え方や思っていることは何かを尊重できるように努めてください。
「普通は~」を使わない
よく言ってしまいがちな言葉、「普通は~」。言われたことがある人なら分かると思いますが、決して良い気持ちはしませんよね。
言われる時は大体普通よりも劣っているというニュアンスで言われるのですから。これは子どもも同じです。
「自分はどこかおかしいんだ…」と思わせてしまい、自尊心を低くしてしまう恐れがありますから、絶対に使わないでください。
怒りに任せない
学校に行きたくない理由が分かりにくい、言っていることがちぐはぐ、子どもの悲しそうな顔を見るのが辛いなど、ストレスに感じることがあります。
小学生なら、あまり言葉を選ぶのもうまくありませんし、自分の気持ちをちゃんと理解していないことが多いのですから、親としてはもどかしい気持ちになりますよね。
ですが、怒りをぶつけてしまうと、子どもは殻に閉じこもってしまいます。
最悪、あなたには何も相談してくれなくなってしまうようになったり、将来精神的な問題を抱えてしまうようになります。
人の目を気にしてはいけない
「子どもを甘やかしていると思われるかもしれない」「自分の子どもが不登校なんて近所の人になんて思われるか…」これって子どもに関係ありますか?
ハッキリ言いますが、あなたのエゴでしかありません。それを恐れるほどに子どもも同じように人の目を気にするようになります。
すると、自分の好きなように人生を謳歌できなくなりますから、日々人に合わせ行動するのでストレスを感じるようになり、その内爆発します。もしくは問題行動を起こすようになります。
赤の他人の意見はそんなに大事ですか?あなたのお子さんの気持ちを無視するほどですか?
子どものためを思うなら、子どもが学校に行かないことを恥じるのではなく、子どもの気持ちに少しでも寄り添ってあげてください。
将来の話をしてはいけない
「ちゃんと学校に行かないと将来困るよ」
自分の人生経験から、学校で勉強する大切さは分かっていると思いますが、あなた自身も子どもの頃はあまりわかっていなかったのではないでしょうか。
泣き出してしまうくらい学校に行きたくない気持ちになっている子どもは、将来のことよりも今の自分を見て欲しいと思っています。
確かに将来のことを見越して行動することは大切です。ですが、今の問題を解決せずして将来はありません。
そもそも、感情的になっている人(子ども)に対して論理的に説明したところで、聞き入れてもらえる可能性は低いです。
それどころか、自分の気持ちを分かってくれないことからパニックになり、余計に混乱してしまいます。
行きたくない理由を勝手に決め付けてはいけない
理由を考えるとは言いましたが、「サボりたいだけだ」とか「友達とうまくいっていないからだ」というように、ある程度予測できたとしても決め付けてはいけません。
理由によってアプローチの方法が変わってきますし、間違ったまま対処された子どもは理解されない辛さで苦しむことになりますから。
例えば、友達とうまくいっていないと思っていたら、実は勉強がついてこれなくて嫌な思いをしているのかもしれません。それなら、友達との付き合い方を教えるよりも、勉強を教えた方が良いですよね。
お子さん自身も、行きたくない理由をちゃんと分かってないかもしれませんので、ほぼ確信に近かったとしても、仮説だと思ってアプローチし、違っていると感じたら変えてみるというように、臨機応変に変えられる柔軟性を持ちましょう。
また、子どもの悩みは流動的ですから、一つの悩みが解決しても別の悩みが生まれているかもしれません。それも視野に入れながら子どもと接してみてください。
質問攻めにしてはいけない
「どうして行きたくないの?友達となんかあった?先生に何かされた?勉強がうまくいっていないの?」というように、質問攻めにしてはいけません。
自分の気持ちが分からない時に、色々質問されるとパニックになってしまいます。
質問は一つ一つやっていきましょう。子どもが何も話そうとしない場合、ゆっくり待ってみてください。
焦る気持ちは分かりますが、親が感情的になって質問を続けても、パニックになって余計に答えてくれなくなってしまいます。
小学生になると新しいことの連続で、お子さんは不安定な状態になりがちです。
そこで大切になるのは、お父さん・お母さんがたくさんスキンシップを取ってお子さんの気持ちに寄り添い、安心させてあげること。
その他にも、勉強が苦手な子には一緒に勉強する時間を作ったり、精神面を安定させる効果のある食材を取り入れた食事を作ってあげましょう。
お子さんを責めるのではなく、ゆっくりじっくりと向き合うことを意識してください。
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