私は元々、外出が大好きな人間でした。特に目的もなく、ホームセンターや家具屋さん、雑貨屋さんなどをブラブラすることが趣味でした。
ただ、こうしたお出かけはいつも夫と一緒に行きたいという気持ちがありました(夫はインテリアに全く興味はありません)。
彼と一緒になるまでは一人でどこにでも出かけていたのですが、なぜか一緒じゃないと嫌!という迷惑な願望があって…。
ブツブツ文句を言いながらも、付き合ってくれていた優しい夫でしたが、ある日を境に家から出られなくなってしまいました。
家が好きすぎるという今は、その出来事がきっかけで育てていくことになりました。
きっかけはただの食べ過ぎだった
お出かけ好きから、家にこもる生活に変わったのは本当に突然でした。
ある日、餃子を食べ過ぎた夫は気分が悪くなり、吐こうにも吐くのが怖いと言って苦しんでいました。確か1時間くらいトイレで粘ったと思いますが、結局吐くことができなくて、胃腸薬を買ってきて様子を見ようということに。
ただの食べ過ぎだから…とそこまで気にしなかった私は、用事で出かけたのですが、帰ってきてからも具合が悪そうな夫。
このときには、彼が普通に生活できるまで2年もかかるとは夢にも思っていませんでした。
ご飯が食べられなくなった夫
夫は、元々吐くことが苦手です。餃子を食べ過ぎたことがきっかけで「食べたら吐き気が起こるのでは…」という恐怖心に支配されるようになりました。
それは食に関することだけではなく、何をするにもつきまとい、夫を苦しめました。
病院で診てもらってもやはり体には異常はなかったのですが、10カ月足らずで約20kg痩せてガリガリになりました。
心と体の健康はいつ崩れるか分からないということを思い知りました。
家にいる時間が飛躍的に長くなった
彼の症状について話すと、5万文字書いても足りる気がしないので割愛します。(ちなみに今はお腹いっぱい食べられるようになりましたよ)
彼に少しでも食べてもらうために試行錯誤するとともに、満足に働けなくなった彼の代わりに仕事をして…という日々をしばらく送りました。
大好きだったお出かけをしたいとも思えないくらい疲れたり、突然どこか遠くに行きたい衝動に駆られたり、私自身も精神的に不安定でした。
出かけたくても出かけられない辛さをこのときはじめて味わったのですが、今でも当時のしんどさは結構リアルに思い出せます。
「家は休む場所」くらいにしか思っていなかったので、家でリフレッシュする方法が分からないし、夫が辛い思いをしているなかでリフレッシュしたいと思う自分は冷たいのかな…と罪悪感でよけいにどんよりしていました。
家の大切さを思い知る
夫が家から出なくなり、夫と一緒に出掛けることが趣味の私も必然的にステイホーム生活をすることになりました。
すると嫌でも、家と向き合わなくてはいけません。この向き合うことが、私のなかでは大問題で…。
今はまぁまぁきれいな状態を維持できるようになりましたが、昔は掃除が大嫌いな汚部屋の住人でした。
家が汚いから逃げ出したい
私は、子ども時代から用もなくあちこちウロウロすることが好きでしたが、大人になり実家を出てからは、いつの間にか外に出る目的が変わっていたようです。
「好きだから出かけたい」ではなく「家にいたくないから出かけたい」と思うようになっていました。今みたいに家が好きすぎるなんて、絶対に言えません。
年に5回も使わない掃除機に、畳まれることなく積み上げられていく洗濯物に、年中敷きっぱなしの布団に、最後にいつ磨いたか分からないキッチンシンク…。
汚部屋から目を背けたくなって外に飛び出していたんだな…と、夫と引きこもるようになってはじめて気づきました。
半径30cmの掃除から始めよう
当時、キレイな場所がどこにもない我が家では、掃除をしようと思うだけで体調が悪くなりました。いつも気合いを入れて掃除を開始するのですが、数分くらいでは体内に熱がこもって頭がぼんやりするんです。
何度も何度も挫折した末に思いついたのが、自分が座っている周りだけキレイにするという掃除方法でした。
掃除をしなくてはいけない!とか、絶対にキレイにする!と思うと決まって不調が襲ってきます。なので、「別に何もしてませんよー」と脳を騙しながら、さりげなく掃除をしていました。床にフワフワとただよっているホコリや髪の毛を手で集める程度でしたが。
これを繰り返している内に、体が掃除に慣れてくれたのか、不調は起こらなくなりました。どんな体なの…って話ですよね。
世の中には、ゴミに埋もれて生活している人がいます。業者に頼らないといけないくらい困っている人もいます。
私たちはそこまでは悪化させずに済みましたが、気持ちは痛いほど分かります。やろうと思ってもできない、できない自分を責めて余計に動けなくなる…。その繰り返しでしたから。
余談ですが…
元汚部屋の住人だからなのか、ゴミだらけの部屋を片付けるYouTubeチャンネルをいくつも登録しています。お気に入りは「片づけトントン」さんです。
プロが手際よく片づけていく様子は、見ているだけですっきりしますよ。スタッフさんの人柄も大好きです。よかったらぜひ!
コツコツ掃除して1年半でキレイになった!
夫が外に出られなくなったことがきっかけで、家と向き合うようになり、より快適に、より住みやすい家にしたいと思うようになりました。
とはいえ、長年積もり積もった汚れやゴミは簡単には片づけることができません。片づけが得意な妹に頼りながら、少しずつ家を磨いていきました。
我が家を訪れた人に「キレイだね!」と言われるようになるまで、1年半はかかりましたが、家っていいなという気持ちは、掃除を始めた頃からものすごい勢いで育っていきました。
家が好きすぎると言えるまでになったのは、家がキレイになったことが大きなきっかけでしたが、それだけではありません。
掃除ができるようになり、キレイになってきたらDIYという新しい趣味が生まれ、100均で収納グッズを集め出したことで収納が好きになり、アロマやお香といった香りを楽しむようになり…。
こうした積み重ねで、私はお家を好きになっていきました。
今では好きな場所がいっぱいあります。一番のお気に入りはキッチンです。
家が好きすぎるという今は、辛い日々のなかで芽生えた
私の場合、家が好きすぎるという今があるのは、夫が心を病んだことがきっかけになりました。人生何が起こるか分かりませんね。精神的に追い詰められたはずが、思わぬ実りをもたらしてくれるのですから。
これって今の時代にも言えるのではないでしょうか。
不安や落ち込み、パニック、ストレス、不眠…メンタル面で不調を抱える人が多い今、こわごわ外へ出るよりも、お家で一人、もしくは限られた人と大切な時間を過ごしたほうが心は安らぐのではないでしょうか。
家が好きすぎると言っても、元はお出かけ大好き人間だったので、ステイホームな毎日が辛いという気持ちはよく分かります。
ですが、だからこそもっと満たされるよ、きっと大丈夫だよと言いたいです。
家を好きになるために、何が必要ですか?
夫は元々家が好きすぎる!という人なので、外に出たいのに出れない人の気持ちはあまり分からないそうです。「家にいるとやることいっぱいで忙しい!」が夫の口癖です。
彼の場合、外に出ると退屈そうで、何かとウトウトしています。笑
またまたYouTubeさんの話ですが、美容系YouTuberの「かわにしみき(みきぽん)」さんは家で過ごすプロでもあります。お家が好きすぎる!!という気持ちが溢れている動画がこれです。
お家が好きすぎるという想いを切々と語ってくれているので、みきぽんさんが楽しんでいる様子が伝わるはず。
あれはダメ!これもダメ!ではなく、彼女のように「楽しい!」という気持ちがもっと広がっていけばいいですよね。
癒し・リフレッシュ・刺激・安らぎなどなど…あなたが欲しているものは何ですか?
自分の欲しいものに合わせて環境をつくっていきましょう。
まとめ
家が好きすぎる!と思うようになったきっかけを振り返ってみました。
日々の過ごし方や人との付き合い方が大きく変わった今、色々なことが制限されるようになりましたが、唯一、家ではほぼこれまで通り過ごせます。
オンラインサービスの充実で、これまで以上に快適になっている部分も多いです。
どんなときでも、楽しむこと・笑顔でいることを忘れずに生きていきたいですよね。
健康に生活することは当たり前ではない…。今だからこそ、この幸せを毎日噛み締めたいと思います。